自社にはどれが合う? 利用すべきSNSの最適解 Part2

最初はFacebookがオススメ

企業がSNSを使う場合、炎上対策も忘れてはならない。炎上の多くは、事前に明確な運用ルールを決めていないことで起こる。そうならないためには、ユーザーからのコメントにどのように対応するか、投稿した情報をいかに監視するかなど、あらかじめルールを決めておこう。

また、炎上とまではいかずとも、ユーザーのことを考えない投稿が原因で、せっかくのファンを自ら手放してしまうこともある。たとえばFacebookは、自社サイトに誘導したいがために扇情的な文章を用いてリンク誘導すると、サイトを訪れたユーザーはすぐに離脱してしまう。離脱率が上がるとタイムラインに表示される優先度であるエッジランクが下がり、情報がユーザーに届きにくくなる。

Twitterでは、おもしろいツイートが人気の企業アカウントが多くあるが、マネをするにも担当者にセンスが求められるためハードルが高い。無理におもしろくしようとしたり、普段は真面目なのに「バルス祭※」のようなイベントの時だけトーンの違うツイートをしたりすると、「寒い」と思われかねない。SNSアカウントの性格は、ブレのないことも大事だ。

Instagramユーザーは、自分のタイムラインの世界観を大事にする傾向がある。そのため、クオリティの低い写真を投稿したり、連続投稿でタイムラインを埋めてしまうことはフォローを外される要因になり得る。

こうしたリスクを考慮すると、初心者にオススメのSNSはFacebookといえる。なぜなら、Facebookは実名登録制のため炎上しにくく、エッジランクという仕組みで評判の良い投稿が多く表示されるようになっているので、もしイマイチな投稿をしてしまったとしても比較的広まりづらいからだ。

※テレビで「天空の城ラピュタ」がオンエアされると、多くのTwitterユーザーが「バルス」とつぶやくのが恒例行事となっている

 

潜在顧客の獲得には予算を計上すべき

SNSは自社情報を無料で宣伝できるツールではない。企業がSNSを使うモチベーションとしてもっとも多いのが「潜在顧客を獲得する」ことだが、それを予算を一切かけずに行うのはなかなか難しい。既存顧客以外にもアプローチしたい場合、SNS運用には予算が必須と心得よう。しっかりと予算を組んで運用すれば、まだ見ぬ顧客と繋がることができるという、SNSのポテンシャルを最大限引き出すことができる。

SNSの広告にはさまざまな種類があるが、FacebookとInstagramは高精度の属性情報をもとに広告配信ができ、Twitterはキーワードへのターゲティングでユーザーの本音にアプローチできるという特徴がある。それぞれの長所と自社の目的を考慮し、使用する広告を選んでいこう。

また、多くの企業では、SNS担当者は他の業務と兼務していることが多い。そのため、頻繁に仕様変更や新機能がリリースされるSNSの最新情報を追い続けることは難しいだろう。そこで、SNSの運用代行やコンサルティングを行う企業に依頼することも、一つの方法である。負担が減るだけではなく、豊富な知見を持った専門家に相談することで、自社のSNSの価値を高めることにもなり得る。たとえば弊社ガイアックスの場合、毎月SNSの最新情報をまとめたレポートを送ったり、企業担当者からの疑問に答えるサービスを月額5,000円~行っている。何に予算をかけると効率的かつ効果的に運用できるのかも、SNSを使う上で熟慮すべきポイントだ。

 

SNSの成果を見るための数値とは

SNSを始める際に、どのような成果を得たら自社に貢献していることになるのかということは、あらかじめ決めておくべき要素だ。そのため、判断材料となるKPIを設定しておくことをオススメする。

SNSのKPIというと、フォロワー数で判断されがちだが、それらの数が多いからといって、すべての人に情報が伝わっているとは限らない。最近では、投稿ごとのリーチ、コメント、いいね!の数などをKPIとして設定するのが主流となっている。これらの数値を指標とするほうが、自社が発信する情報がユーザーの役に立っているか、好まれているか否かがわかるからだ。

もちろん、フォロワーの数は多いに越したことはない。しかし、それほど人数が多くなくても、いいね!やコメントなどのリアクション率が高ければ、ロイヤリティの高いアカウントとなり得る。たとえば、とある地方の小料理店のFacebookページでは、500人ほどのファンがフォローしていて、投稿に200ものいいね!がつくことがある。ユーザーのアクションが40%もあるというのは、効果の高いアカウントだといえるだろう。実際に、そこで発信する日替わりメニュー情報などを見て来店する顧客は少なくないそうだ。

SNSで達成したい目的や達成度合を測る指標があってこそ、どのように運営していくかが見えてくるだろう。

 

教えてくれたのは…:管 大輔
(株)ガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部 部長。SNSのコンサルティング・運用チームを率いる。企画・分析に強みを持ち、数十社におよぶコンサルティング実績を武器に、SNS活用プロジェクトを成功へと導く。http://www.gaiax.co.jp /
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