
潜入! 動画広告の現場
【クライアントからのお題】
資料請求の申し込み数を増やしてほしい!

光明を感じたFacebook広告で、もっと成果を出したい
2016年10月…東京・渋谷で開校するネイルアートの学校「TKネイルスクール」(以下TK)は決断した。それは、Facebook(以下Fb)で動画広告を導入すること。この夏、同社はリスティングプラス(以下LP社)の運用のもとFb広告を始め、2カ月で一定の成果を得ていた。ただ、満足できる数字でなかったのも事実で、補強策を探っていたのだ。
LP社は動画広告を提案。動画広告をやったことがないTKは逡巡した。
「ん~…低予算でできて、成果の見込みがあるなら、やります」(TK飛高氏)
同時期、本誌がこの情報をキャッチし、現場帯同がスタート。LP社は動画制作をMFIに相談し、1週間後、3社ミーティングの開催が決定した。予算は10万円。本当にできるのか?!
若年女性層に響きやすい縦型動画で、いざ出陣!
10月27日、3社が集まった。1週間が経ち、TKは予算内での展開なら、前向きに検討したい意志を固めたと説明。
「しっかりとネイルアートを学びたい意欲のある方に来てほしい。託児所があるので、お子さまがいらっしゃる方も学びやすいと思います」(TK飛高氏)
白羽の矢が立ったMFIは、動画広告、とりわけ縦型動画にも力を注ぐ会社。特に今回、縦型ならTKの主要ターゲット層に響きやすい。MFIによる、裏づけを示しながらの説明にTKも納得顔だ。
「タイムライン上で目につきやすくなることを念頭に置き、短時間かつシンプルなメッセージでまとめます」(MFI村岡氏)
そこで、正式に依頼が確定。今回はスマホ向け動画を作成し、11月1日から早速運用することを決めたのだ。

短くて、1つのイメージが想起しやすい動画に
翌日、TK飛高氏のもとに広告案が届き、3案の映像を確認。すると…。
「1点、いいですか? 託児所推しについてはいかがですか?」(TK飛高氏)
「完全に視聴してもらうために、映像のテーマを絞りたいんです」(MFI村岡氏)
MFIは、過去にスクール系で縦型動画を展開してきた実績があり、改めてTKサイドに縦型動画での成果の引き出し方について説明。TK側も納得した。
「パッと見た印象で、卒業後にきちんと技術力が身につくようなイメージを持ってほしい…。だとすると、ネイルが大きく映っているC案ですかね?」(TK飛高氏)
「賛成です! 私たちもC案を一番推したかったので(笑)」(MFI村岡氏)
中身の方向性が決まり(パターンC)、いよいよ撮影だ。

スマホで自社(クライアント)撮影し予算圧縮。即編集へ
10月29日、TKにて撮影を実施した。今回は限られた予算のため、MFIではなくTK側が撮影して、すぐに素材データをMFIへ送ることとなった。2日前のミーティング当日、すでにMFIはスマホ用の三脚をレンタルでTKに渡していた。
「試し撮りのデータです。ちゃんと撮れていますか、大丈夫ですか?」(TK飛高氏)
「いい感じです! この調子で、複数のネイルパターンについて、編集素材用に撮影してください」(MFI村岡氏)
29日のうちにTKは撮影を済ませ、MFIに素材データを送信。データ確認後、翌日MFI社内で編集が開始された。
「31日は予備日なので、30日中にすべてを終わらせましょう」(MFI村岡氏)
31日、編集部にMFIから完成を告げる一報が。その中身は…?

1カ月間、配信方法別に動画広告の運用をスタート
10月31日、編集部はデモ用の動画広告を視聴した。
「キラキラするエフェクトを加え、リーズナブルな月額授業料が伝わるテキストを映像に載せました。ネイルにインパクトを感じていただきたいので、ネイルが映える10秒にしました」(MFI村岡氏)
対象によっては動き重視に構成することがあるようだが、今回はTK側のリクエストを重視し、ネイルが映える静かなトーンを目指している。今後の運用は?
「1カ月間、動画とバナーそれぞれで運用していきます。配信方法は3つ考えていて、手段と方法で最善の組み合わせを探っていきます」(LP社 津之地氏)
「10秒ですので縦型のメリットは発揮できるはず。あとは結果です」(MFI村岡氏)
次ページで運用後の結果を公開だ!

短期間のFacebook広告展開ながら、動画広告の傾向がチラホラ
11月1日からの1カ月、上記が正真正銘、動画とバナーそれぞれを運用して出てきたリアルな結果だ。特筆すべきはリマーケティング配信による動画広告! 高パフォーマンスを残し、リマケ配信の動画強化が今後の検討策になる。
誤算といえばFbの仕様のせいで、実際の編集映像より劣化した状態で広告配信された点。その度合いはクライアントも想定外で、運用中は表示状態が気になっていたそうだ。
「ネイル作品がぼやけて表示されるのは改善したいですね。とはいえ、今回の動画広告経由で3件の申し込みがあったのは、成果を感じます」(TK飛高氏)
いかがだっただろう? 実践を通じた成果や発見が得られるだけに、一度トライする価値はあるのではないだろうか。
