
何から考える? 動画活用の第一歩
見落としてしまいがちな「その先にある目的」
「動画を活用する前には、その先にある目的をしっかり見定めておくことが肝心」と語る、イメージ・ジャパン代表取締役の隈部周作氏。そしてその目的を大別すると、「企業や商品の認知度アップ」「Webサイトへの誘導」「お問い合わせなどのコンバージョンの上昇」の3つがあるという。
大企業では認知度アップを目的とした動画プロモーションを行うことが多いが、中小企業ではWebサイトへの誘導やコンバージョンの向上を目的にすることが多い。いずれにしても、動画マーケティングで成し遂げたい目的を最初に見極めておくことが重要であり、それに沿って手法や動画の内容、プラットフォーム選びが決まってくる。肝心なことだが、いざ自分たちがやる段階になると抜け落ちてしまう企業も多いのだとか。

目的を見定めたら、次は手法の検討だ。「動画マーケティング=動画広告」と考えてしまいがちだが、広告以外にも活用方法はいろいろある。例えば、リフォーム業者が日々の仕事をYouTubeに公開して、自社サイトに施工事例としてまとめておくのも1つの動画マーケティングだ。多くの動画をアップしておくことで「地域名+リフォーム」などのキーワード検索でも見つかりやすくなり、いわゆる「動画SEO」の効果も生まれる。Webサイトへの集客が目的なら、この方法も十分に効果の望める施策だ。
ターゲットを見定めてプラットフォームを検討

制作費や広告費の確保が可能であれば、動画広告の出稿も選択肢に上がってくる。動画広告プラットフォームはいくつかあるが、中でも隈部氏はYouTube、Facebook、Twitter、Instagramの4つを主要なプラットフォームに挙げる。この4つはいずれも少額から出稿が可能で、中小企業が参入しやすいのも魅力だ。
この4つのプラットフォームは、それぞれに特徴やユーザー特性が異なる。自分たちが達成したいゴールにあわせてターゲットを絞り込み、そのターゲットと相性のいいプラットフォームを選ぶことが肝心だ。例えばFacebookは、地域はもちろん業種や職種など、ターゲット属性を細かく絞り込めるのがメリット。BtoCだけでなくBtoB向けの製品・サービスもアピールしやすいプラットフォームだと言える。一方Twitterは、フォローしている人によって表示される広告が変わるという仕組みで、ユーザーの嗜好が広告に反映されやすいのが特長だ。
こうした特色を把握した上で出稿先を決め、さらにそのプラットフォームにあわせて動画の内容を吟味することで、より大きな成果をあげられるようになる。この特集では、そのために必要な考え方や最新戦略を紹介していこう。

- 教えてくれたのは… Text: 隈部周作
- (株)イメージ・ジャパン代表取締役社長。千葉と東京にオフィスを構え、全国の中小企業を中心に動画制作、動画マーケティングのコンサルタントを行う。http://dougamarketing.net