「カード会社からアイドルグループ誕生?」で大反響

 

閉塞感を打破する企画の実行

5月18日にリリースが配信され、翌19日にPVがYouTubeで解禁されて以来、各種SNSでバズを呼んだ「東池袋52」。注目を集める背景に、なぜかカード会社が仕掛けた不思議さ、メンバー全員が会社員、あのアイドルグループを意識した雰囲気や楽曲タイトルなどが挙げられる(01)。

01 東池袋52(フィフティートゥー)とは?

クレディセゾンの本社があるのが、東京の東池袋 サンシャイン60の52階。そこに引っ掛けて名づけられたという。クレディセゾンおよび関係会社の社員24名で結成。あるアイドルグループを意識した「(勝手に)アンサーソング」として「わたしセゾン」という楽曲でデビューを果たした

何より、制作陣が強力だ。作詞は国内を代表するコピーライターの仲畑貴志氏、作曲はAKB48をはじめ、嵐、ももいろクローバーZなど錚々たるアーティストの楽曲制作に携わる多田慎也氏、振付にはモーニング娘。などアイドルグループを担当してきた振付屋かぶきもん、と名だたるトップクリエイターたちを起用。だからこそ気になる、「なぜカード会社が、しかもガチンコで?」なのか、疑問をぶつけた。

「オーソドックスなプロモーションによって、一定の成果を得てきた反面、現状以上を望むには、従来のアプローチだと閉塞感がありました。社内風土に通じるチャレンジ精神と成果への追求、両者を通して現状打破できる施策とは何か。そこで、本気で取り組むことにしたのが“東池袋52”です」(クレディセゾン・相川耕平さん)

話題化、社内啓発など波及効果抜群

糸口は、昨年リリースされた、あのアイドルグループの楽曲だ。“セゾン”という社名と同じ単語が入ったタイトルが気になっていたという。「何か一緒にできたら面白そう」という芽生えが、“自分たちでやってみよう”へと変化。2017年に入り、グループ会社を含めた全社員から自薦、他薦でメンバーを募り、プロジェクトは本格化した。

「参加メンバーは、社業を抱えながら空いた時間で自主練習に励んでくれました。PVの撮影は、全国各地の社員全員が集合できる数少ない1日で行っています」

デビュー後、想定外の多くの反響が湧き起こり、Webのほかテレビ、雑誌などメディアの取材が殺到する。昨今では敬遠されがちな、明確なKPIを設定せず、企画のパワー重視の施策は早々に話題化という成果で応えた(02)。

「弊社への問い合わせやカード申し込み数も増加中です。参加メンバー(社員)たちの地道で真剣な取り組みぶりに心が動いたという社内啓発にもつながっています」

ちなみに、事前にアイドルグループ側には承諾を得ているが、まるでお墨付きをもらったかのような振る舞いを避けたくて、先方の名前を出さずに活動中とのこと。とはいえ、強烈な意識は一切隠していない。最終目標はアイドルグループとの共演だ!

02 本気の取り組みが「話題化」を喚起する

話題化を支えたのがガチンコ感。国内トップクラスのスタッフ陣のもと、公式サイトの開設、PV(Promotion Video)やメイキングビデオの公開、セゾンカード・UCカードの永久不滅ポイントと交換できるCDの作成、テレビやラジオCMの放送など、本気ぶりの動きがバズを生んだ

Interview with >>

(株)クレディセゾン プロモーション戦略グループ 課長 相川 耕平氏

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