【コラム】SNS上で分断していく世界

こんにちは! 大阪のちょっとやんちゃな八尾という地域にある社員35名の老舗石鹸屋で商品企画・広報を担当している峰松です。

さて、今回のテーマ「Facebookコンテンツ」にいきなり水を差すようなのですが、皆さん最近Facebookを使っていますか? 昨年頃から若者のFacebook離れという記事を頻繁に目にするようになりました。もともとユーザーが東京に偏っていると言われてはいましたが、東京生まれFacebook育ちの私がそれを実感することは一度もありませんでした。しかし、大阪に引っ越して、近畿大学で授業を担当するようになってから、20人のクラスの中でアカウントを持っていた学生が、たったひとりしかいなかった時には「これか!」と思わず納得したんです。

私がFacebookを使い始めたのは2006~2007年で、日本ではまだmixiが全盛期の頃。その後、映画『ソーシャル・ネットワーク』の影響で一気にFacebookがメインストリームになり、企業が消費者と親密にコミュニケーションを図れるマーケティングツールとしても一躍注目を浴びるようになった訳です。しかし、その変化を痛感せざるを得ないことが立て続けに起こりました。

まず、年子の妹がほとんどFacebookを見なくなったと言うのです。Facebookを開いても、結婚報告しかフィードに出てこないんだとか。また、ちょうどその話を聞いた翌日、大学のゼミの後輩で今年新社会人になった男の子が、配属先が決まったとポストしていました。その書き出しはなんと、「Facebookは正式な報告をする場所なのでご連絡ですが…」でした(笑)。そのポストを目にした時に、なるほどFacebookは人生における重要なライフイベントを報告するための、えらく敷居の高いSNSになったのか…と腑に落ちたのです。

一方、私のフィードはというと、「担当していたサービスがローンチされました!」「メディアの取材を受けました! よかったら読んでください。」「転職のご報告。これを機に自分のキャリアについてブログを書きました。」とまあ、毎日大変活発です。

今回の一件で、社会人になりたての頃に上司から「東京だけが日本だと思ってマーケティングするなよ」と言われたことを思い出しました。SNSで私が見ている世界がすべてだと思って生活していると、視野が狭くなってマーケティングセンスも鈍るから気をつけないとな、と気付かされたのでした。

 

グラフは2014年10月~2016年10月の「10代のFacebook利用率の推移」。増減を繰り返しながらも、やはり、10代のFacebook離れはゆるやかに進行しているようです。自分のFacebookに映る世界がすべてではないことを、改めて理解しました 出典:(株)ジャストシステム「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2016年10月度)」(n=1,100)

 

ナビゲーター:峰松加奈
新卒で外資系消費財メーカーに入社し、2015年夏より大阪の中小企業・木村石鹸工業(株)に転職。商品企画部門がなかったため、マーケティング室を立ち上げて自社ブランドの開発・育成に日々奮闘中。目標は、今までにない革新的なブランドを作って、「家事」の概念を変えること。木村石鹸ブログ:http://www.kimurasoap.co.jp/blog/ Twitter:@mnmtkn
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