
【コラム】デジタルの数字が紡ぐ、ヒューマンな繋がり
今号のテーマが「数字」ということで、日ごろ行っているWebメディア管理の話をしようと思います。
ローソン(グループ)では、週に1度、各部門のWeb担当者によるオンラインの編集ミーティングを行っています。その顔ぶれは、販促部門から商品部門、ナチュラルローソンにローソンフレッシュ、ローソンストア100、ローチケ、HMV、ユナイテッドシネマの担当者など…。毎回30名ほどの人数でWebサイトやメルマガ、ソーシャルメディアの数字を検証しています。「この週はLチキ(フライドチキン)のRTキャンペーンが好調で、Twitterのフォロワー数が30万増えた」という報告や、逆に「PRしたかったデザートの反応が想定より伸びていない」などといった反省と原因究明を行うのもミーティングの目的です。
このWebミーティングでは、同じツール(GoogleアナリティクスやEngageManager)を使って、関連各社・サービスの数字を、まるで健康診断のように細かくチェックしています。とかく「Webの効果って見えにくいよね…」と言われがちな担当者に、「数値効果」を持って帰ってもらうのは有効です。
ところで、大人数が一堂に会するのには、3つの利点が挙げられます。ひとつは、「ノウハウの共有」。ローソン本体のアカウントは運用7年目に入りフォロワー数も安定してますが、他はまだ数万規模です。そのため、担当者であってもわからないことが多く、ミーティングですぐに相談ができます。成功事例、新しい投稿法や広告メニューなどを全員が共有できれば、グループ全体でノウハウの蓄積にもつながります。
ふたつ目は、「よきライバル心の醸成」。数字の変化に着目して良い点悪い点を共有していますが、SNSの運用担当者が並んでいると、意外にもライバル意識が芽生えるのです。例えば、ナチュラルローソンとローソンフレッシュ、ローソンストア100はTwitterフォロワー数が同じくらいなので、負けじと切磋琢磨しています。SNSの運用は効果が見えにくいがゆえ挫折しやすく、社内でも孤立しがち。よきライバルがいることは、モチベーションのアップと維持にも効果を発揮します。
最後は「デジタルお困りごと把握」。各部門が抱える「デジタルで解決できる、アナログな『お困りごと』」の把握です。Webミーティングには実務担当者が参加しています。そのため、担当者が今まさに現場で困っていることについて「デジタルで解決する方法はありますか?」と、相談いただくことがあります。会社によっては、異なる部門が同じ時期に同じようなソリューションをつくってしまうことがあるのですが、Webミーティングのおかげでそれらを未然に防げるほか、社内の「専門部隊」でフォローに入ることも可能になりました。
Webは数字を取りやすいメディアです。デジタルの数字を媒介にしてヒューマンな繋がりをつくる。このWebミーティングの本質的なPDCAは、そこにあるのかもしれません。


- ナビゲーター:白井明子
- (株)ローソン デジタルプラットフォーム部シニアマネジャー。デジタルプラットフォームを用いた施策の構築と企画を担当。「Web人大賞」、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー準大賞」受賞。ACC新事業検討委員会委員、法政大学イノベーションマネジメント研究センター客員研究員。http://www.lawson.co.jp/