
《書籍発売記念インタビュー Vol.2》なぜgazは“Studio解説本”を手掛けたのか。「IT人材が不足する日本において、Studioには大きな価値がある」
ノーコードツールの進化が加速するなか、企業や制作現場における新たな選択肢として注目されている「Studio」。高い自由度とデザイン性が評価され、多くのクリエイターから支持を集めています。今回は、初のStudio単独解説本『知識ゼロからノーコードではじめる Studio Webサイト制作入門』(インプレス)を刊行した株式会社gazにインタビューを実施。後編では、Studio株式会社との吸収合併で注目を集めるなか、gaz代表取締役の吉岡泰之さん、デザイナーの川城俊樹さんに、Studioのさらなるメリットや書籍の見どころについて聞きました。(前後編の後編)
「更新の遅延」や「外注コスト」を削減
企業成長の加速に繋がる
––––前編ではクライアント側のメリットに少し触れていましたが、他にもStudioによる制作がクライアント企業に与えるよい影響があれば教えてください。
吉岡泰之(以下、吉岡) 従来型のCMSでは「CMS化された箇所」––––つまり管理画面から編集可能な一部のテキストや画像しか変更できないケースが多いです。
一方、Studioの場合は、エディタの操作を一度覚えてしまえば、すべてのページ・すべての要素を自由に編集できるようになります。つまり、これまでCMSの対象外の部分を修正しようとすると、制作会社に都度依頼しなければならなかった作業が、社内のメンバーで完結できるということですね。
たった1つの画像差し替えに数週間かかってしまう、というようなことも頻繁に起こっていたわけですが、そうした「更新の遅延」や「外注コスト」の課題を、Studioは解決してくれます。クライアント側にとっても、マイナスを減らし、プラスを生み出すという点で、非常に効果的なツールだと感じています。
––––たしかに、Studioは直感的な操作ができるので、ノンデザイナーでも扱いやすいというメリットはありますね。
吉岡 実際に、弊社でバックオフィスを担当しているメンバーも、デザイン経験がなかったにもかかわらず、サイトのテキスト修正や画像変更などを問題なく行っています。これは非常に象徴的ですよね。広報やマーケティングなどの担当者が、自分の手でWebサイトを更新・運用できるようになると、ビジネスメリットも大きいはずです。
例えば、マーケターが思いついた施策を自分の手で即座にWebサイトに反映することができれば、施策の検証サイクルは格段に速くなりますよね。誰もがWebサイトの運用に関われるようになることは、IT人材が不足する今の日本において、大きな価値のあることだと思っています。

Webサイト制作の第一歩を、この1冊から。
gazの思いが詰まった「Studio」入門書
––––では、gazが手掛けた書籍『知識ゼロからノーコードではじめる Studio Webサイト制作入門』について聞いてみたいと思います。本書の特徴と魅力を教えてください。
川城俊樹(以下、川城) Studioの基本操作をわかりやすく解説するのはもちろんのこと、本書に沿ってツールを操作(実装)すれば、1つのポートフォリオサイトが完成・公開できるようになっているのが特徴です。
Web制作初心者にもわかりやすいようにと意識して執筆しているので、細かなパーツの名称をどう表現すれば伝わりやすいかなど、gazのメンバー全員で細部までこだわり抜いて執筆しました。Webサイト制作の最初の一歩を後押しできるような1冊になっていると思います。

––––そもそも、なぜ書籍の執筆を決めたのでしょうか。刊行に至った経緯をお聞かせください。
吉岡 出版社から「ぜひStudioの書籍を」とお声掛けいただいたこともきかっけの一つですが、Web制作未経験の方やWeb制作会社の皆さんに、Studioに触れるきっかけを提供したいという想いがありました。
もちろん今ではオンライン上で学べるコンテンツも多いですが、書籍は手元に置けて、必要なときにすぐ見返せるという紙ならではの価値がありますよね。オンラインとはまた違った学びができると考え、執筆を決めました。
––––それでは最後に、読者のみなさまにメッセージをお願いします。
吉岡 この本を通してStudioの認知が広がれば、たとえば主婦の方が「Studioで副業を始めてみよう」と考えるかもしれませんし、これまでStudioを使ったことのない制作会社が「試してみよう」となるかもしれない。そうして使う人や機会が少しずつ広がっていけば、結果的に日本全体の経済活動の活性化、ひいてはGDPの底上げにもつながっていく––––そう信じています。
そうした広がりの起点となるように……そして、StudioがWeb制作の入口に立つための最良の選択肢となるようにと、構成も細部まで考え抜いた1冊です。自分の手でつくり上げたWebサイトが、誰かのもとに届き、役に立つ。その体験は、きっとあなたにとってかけがえのないものになるはずです。
ぜひ一度、本書を手に取り、Studioに触れてみていただけたらと思います。
(前編はこちら)
gazが手掛けた初のStudio解説本が発売中!

『知識ゼロからノーコードではじめる Studio Webサイト制作入門』
著者:株式会社gaz
出版社:インプレス
発売日:2025年3月21日(金)
ページ数:240ページ
サイズ:B5変形判
定価:2,420円(本体2,200円+税10%)
Amazon購入リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/4295021423/
本書はWebサイトを作りながら
Webサイト制作ツール「Studio」の基本操作が学べる入門書です。
Webサイト制作がはじめての方でも
本書で紹介されたWebサイトを制作することで
Studioの基本操作、StudioでWebサイトを作るための知識が学べ、
自分の作りたいWebサイトが作れるようになります。
▼こんな人におすすめです
・Studioの基本操作を学びたい人
・Webサイト制作が未経験だけど、Webサイトを作りたい人
・Webサイトの制作、運用の工数削減のためノーコードツールを導入したい方
・テンプレートベースでなく、本格的なWebサイトを作りたい人
・コーダーやエンジニアを挟まず、Webサイトの制作~サイト公開をしたい人
▼目次
CHAPTER01 Studioを使う前に知っておきたい最低限の基本と下準備
CHAPTER02 トップページを作りながら基本操作を覚えよう
CHAPTER03 コンテンツが充実した下層ページを作る
CHAPTER04 CMSを構築して、記事を作成する
CHAPTER05 完成したサイトを公開しよう
CHAPTER06 クオリティがぐっと上がる! デザインアイデア
▼サンプルページ



取材・文:室井美優(Playce)、写真提供:gaz、インプレス
※本記事の取材は2025年4月末に実施されました。