その魅力は「CMSを超えた柔軟さ」にあり? 3人の現場エンジニアが語るOrizm開発のリアル

ちょっと株式会社が開発・提供する次世代Webサイト構築プラットフォーム「Orizm」。顧客のニーズに応え、業務内容や組織構造に合わせた柔軟な開発を可能にする「人に寄り添うシステム」を目指し、Next.jsとVercelといったモダンなアーキテクチャの利点をフルに活用して構築されたツールです。

では、実際にOrizmを使ってWebサイトやCMSの開発に取り組むエンジニアは、どのような特徴を感じているのでしょうか。同社でフロントエンドエンジニアとして活躍する向井ユウトさん、ヒョン・ユンドンさん、石川雅述さんにお話を伺いました。

目次

Orizmは「CMSを柔軟に開発するためのライブラリ/フレームワーク」

––––皆さんがちょっと社に入社され、Orizmに触れたとき、どのような印象を持ちましたか?

向井  私はこれまでアプリケーションや業務システムの開発を中心に経験してきて、CMSの開発は初めてでした。ただ基本的な仕組みは共通しているので、大きな戸惑いもなく進められました。Orizmは外から見ると「CMS」として紹介されていますが、開発者の視点ではライブラリやフレームワークのような存在。そこが特徴的だと感じています。

ヒョン  私も以前はBtoB向けのアプリ開発が中心で、Web制作の経験はほとんどありませんでした。ただ、内部の技術はこれまで扱ってきたものと同じなので、違和感なく触れることができました。

実は過去に自分でブログを立ち上げようとWordPressに挑戦したことがあるのですが、CSSの調整に苦戦しました。そのとき「内部のコードに直接触れつつ、ユーザーに見せる画面とデータを操作する画面を分けて開発したい」と思うようになり、ヘッドレスCMSにも関心を持つようになったんです。

ただ、自分が使いたいNext.jsが採用されていなかったりして、理想的なものは見つからなかった。そんな中、ちょっと社に入社してOrizmを触ったときに「これぞ自分の探していたものだ!」と感じました。

石川  私はエンジニア1年目で、入社前は個人でWebアプリを開発していました。WebサイトやCMSの開発は初めてでしたが、Orizmを使ったCMS開発はWebアプリの開発に近く、これまでの経験や技術をそのまま活かせています。

私も、Orizmはライブラリやフレームワークのような、“CMSを柔軟に開発するためのツール”という印象を持っていますね。

ちょっと株式会社が開発・提供する次世代Webサイト構築プラットフォーム「Orizm」

開発者にとっての使いやすさを重視してつくられたツール

––––エンジニアの視点から見て、Orizmの特徴や面白さはどんな部分にありますか?

向井  ライブラリやフレームワークとして見たときに、各機能が疎結合(強く依存せず独立して動作できる状態)になっている点が面白いと思います。

たとえばOrizmの特徴のひとつである「デザインエディター」は、独立した機能として設計されていて、Orizm以外のデータベースと連携して使うことも可能です。つまり、CMSに限らず、他のプロダクトにデザインエディターだけを組み込むといった使い方もできる。これほど柔軟で自由度の高い設計は珍しく、今後の拡張性や提案の幅に大きな可能性を感じています。

またデータベースも、CMSというよりはGoogle FirebaseやSupabaseに近いBaaSの性質を持っていて、こちらも独立性が高いんです。加えて「下書き管理」や「予約公開」といったCMSならではの機能も備えている点も特徴的で、私がこれまで扱ってきたBaaSにはなかった部分。非常にユニークで興味深いですね。

ヒョン  私は社内メンバーが開発しているOrizmの「スターターキット」が特徴的だと思います。新しい会社に入ると環境構築に1〜2日かかってしまうという“エンジニアあるある”もありますが、Orizmはスターターキットのおかげでセッティングが非常に早く済みました。デプロイ環境もVercelなので、全体的に環境設定がスムーズで、開発に集中しやすいのは嬉しいポイントです。

さらに、Orizmの開発メンバーの思想が反映されていて、スターターキットに含まれるコードはTypeScriptの型定義が徹底的に管理されています。ここまで厳格に運用されているコードは初めてで、正直感動しました。ルールがしっかりしているおかげで、開発途中に書き方をめぐって議論やレビューに時間を割く必要がないんです。

加えて、ちょっと社では基本的に1人で1案件を担当するのですが、その環境でも一定の品質を保った開発ができる仕組みになっています。

––––機能面でも開発環境の面でも、効率的で柔軟な開発を支える仕組みがあるのですね。

石川  そうですね。TypeScriptは品質向上だけでなく、開発者にとって「開発しやすさ」を高めてくれる側面があります。型定義がしっかりしていればエディタがその情報を利用して自動補完してくれるので、プログラムをより安全かつ明確に記述できるんです。

もちろん、ここまで厳密に管理しなくても開発自体は可能ですが、Orizmはあえてその管理を徹底していて、開発者が使いやすいライブラリとして設計されていると感じます。

向井  スターターキットがあるおかげで、ほとんどのプロジェクトはそれを土台に開発を始められます。ユーザーが目にする表示画面は案件ごとにフルスクラッチが前提ですが、管理画面については大きく見た目を変える必要がないため、スターターキットに用意されたUIコンポーネントを活用することで効率的に進められるんです。

一方で、管理画面に独自の機能が求められる場合は、ライブラリやフレームワークを使うように自由度高く開発できる。つまり、効率化と柔軟性の両面を考慮してスターターキットが設計されているんです。

Zenn上の『chot Inc. エンジニアブログ』ページ。ちょっと株式会社のブログが紹介されており、CloudflareやSocket.IO、フロントエンドカンファレンスに関する記事カードが並んでいる。
ちょっと社メンバーによるエンジニアブログも公開中

Orizmを実務で使いフィードバックして改善サイクルを回す

––––Orizmを使った開発で、今後目指したいことや挑戦してみたいことを教えてください。

向井  Orizmの良さのひとつに、Orizm自体の開発チームと、私たちのようにWeb開発の現場でOrizmを使うチームが同じ社内にいる点が挙げられます。つまり、ドッグフーディング(自分たちで開発したツールを使い、自ら改善していくこと)のサイクルを回しやすいんです。開発者の想像に頼らず、実際の現場の声を届けて必要な機能を改善できるのは大きな強みだと思います。

今後Orizmの機能がさらに拡充すれば、CMS構築はもっと効率的になるはずです。私自身も積極的にフィードバックを続け、改善に貢献していきたいと考えています。

ヒョン  私は現在、マルチテナント型(フランチャイズチェーンのような多店舗型組織構造)のCMS構築を担当しています。こうしたケースではスターターキットから大幅な変更が必要になることが多いため、その工数を減らすべく、マルチテナント用のテンプレートをつくりたいと考えています。

今後は飲食店向けやメディア向けなど、事業ドメインごとに特化したテンプレートを増やしていければ理想的です。ドメインごとの知見が蓄積されやすくなりますし、ビジネス的にもOrizmの強みになると感じています。

石川  Orizmは自由度の高いライブラリやフレームワークのような性質を持っているので、社内では開発実績のソースコードが一部共有されています。私もそれらを参考にしながら新機能を開発することがあり、開発効率が上がるだけでなく、実際の事例から学んで自分の知識に落とし込むことができます。

今後も実践を通じて知見を積み重ね、より速く、より確実な開発を目指していきたいです。

Orizmの公式ドキュメントサイト『Introduction』ページ。CMS構築をサポートするBaaSとライブラリの概要や、このドキュメントの目的が説明されている。
Orizmの公式ドキュメントサイト

取材・文/笠井美史乃 ※本記事はちょっと株式会社とのタイアップです。

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