
買わない人の声を参考に、選ばれる商品を開発!:匠の傘専門店 「心斎橋みや竹」
未知のコンテンツはわかりやすくプッシュ
大正時代から洋傘販売を行う匠の傘専門店「心斎橋みや竹」は、ネット通販の黎明期から活躍している企業です。高級傘を取り扱う傘屋ですが、次の20年の戦略とネットショップの制作を求めてご相談がありました。まず私たちがAB3C分析で考えたのは、「高級であることは何が違うのか、よい傘とは何か?」。一方でブレストでは、「失くすとショックだから積極的には買わない」という声が上がっていました。そこで「傘を買わない人」にセグメントして話を聞き出てきたのは、「傘は長くて持つこと自体が不便」「失くしてしまう」などの意見。
そこから消費者にとっての価値であり差別的優位点は、カバンと一緒に持っても地面につかない長さの傘と導き、骨の長さは変えず柄と先端を短くした「フルサイズショート」という新規格をメーカーと共同開発しました。
こういったイノベーティブなコンテンツは、まだ世の中にないものですから「フルサイズショートの傘」と検索するお客さまはいません。未知のコンテンツをWebサイト内でどうプッシュするか? みや竹の場合は、トップ下の誰もが目につく場所に、「最適な傘に導く5つのステップ」というアイコンをつくりました。傘選びのポイントを解説するコンテンツの中に、長さの重要性をうたいそこでフルサイズショートという商品に落とし込んでいます。
また、傘を買わないもうひとつの理由である「失くす」に対しては、失くしたときに連絡がくるようにしようと考えました。傘につける名入れチャームの裏面に、傘のIDとみや竹の連絡先を記載。拾った人がみや竹へ連絡をしたら、IDで持ち主を判別して戻そうというサービスをこれから始める予定です。
