
“シェアリングエコノミー”に注目! 自分のクルマを使わない時にシェアするサービス「Getaround」
サンフランシスコで生活およびビジネスを行う大きなメリットの一つは、他ではまだ利用不可能なサービスを体験できることです。 こちらに住んでいると、この街でしか体験できないプロダクトに実際にいち早く触れ、インスピレーションを得ることができます。
そのような最先端のサービスの中でも、スマホで個人が運転する車両を呼ぶ「Uber」やユーザー同士で空いている部屋を貸し借りする「Airbnb」など、サンフランシスコ周辺では、“シェアリングエコノミー”と呼ばれるサービスの人気が非常に高まっており、新しいプラットフォームとして世界中から注目を集めています。実際の統計を見てみても、ここ数年で同様のビジネスモデルのサービスに対しての投資額が急激に伸びており、市場の期待を裏付けるものとなっています。
このシェアリングエコノミーサービスの中でも、もっともホットなのが個人間で車を貸し借りするためのプラットフォーム「Getaround(ゲットアラウンド)」でしょう。これまでのカーシェアリングは、企業が所有する車両を不特定多数のユーザーに時間単位で貸していました。しかしGetaroundは、ユーザーが所有する車を他のユーザーに貸すことができ、自動車を所有しているけれどたまにしか利用しないユーザーと、必要な時にだけ短時間乗りたいユーザーのニーズに応えています。
具体的には、サイトやアプリを通して最寄りの車を検索し予約します。ドアの開閉もアプリ経由で行うので便利です。利用は30分から数時間単位なので、かなりお手軽。貸す側としては、空いている自動車を他のユーザーに貸すことでお小遣いを稼ぐことができるわけです。Getaround社はプラットフォームと専用デバイスを提供し、40%の仲介手数料を車を貸し出す側からもらい、利益を確保しています。
例えば、駐車場を見つけるのが容易ではないダウンタウン地域に住んでいたり、働いていたりする人が、ちょっとした遠出や買い物、会社訪問などの際にとても便利なサービスです。料金は車種などにあわせて設定され、もっとも安いケースで1時間5ドルほど。お得な小型車両から、ベンツ、ポルシェ、テスラなどの高級車両まで借りることが可能です。
なお、同サービスは現在のところ、サンフランシスコ市と対岸のオークランド市、バークレー市で利用でき、それぞれの市が協力してサービスの利用を可能としています。したがって、サンフランシスコよりも南のシリコンバレー地域ではまだ利用ができません。つまり、最近はシリコンバレーよりも、サンフランシスコがにぎわっているといわれていますが、そのトレンドを示している一つの例ともいえるでしょう。


- Text:ブランドン・片山・ヒル
- 米国サンフランシスコに本社のある日・米市場向けブランディング/マーケティング会社Btrax社CEO。主要クライアントは、カルビー、TOTO、JETRO、伊藤忠商事、Expedia、TripAdvisor等。2010年よりほぼ毎週日本から米国進出を希望する企業からの相談を受け、地元投資関係者やメディアとのやりとりも頻繁。 http://btrax.com/jp/