[UX3-1]無理のない運営にはチームづくりが欠かせない

書き始める前に“チーム”をつくろう

まずはつくり手の体制を整えましょう。第1章~第2章までのタスクやノウハウを通じて、「なぜコンテンツを用意するのか」「ブログやオウンドメディアを運営するのか」がはっきりしているはずです。社内で「なぜ」を共有できたら、コンテンツをつくるスタッフを募りましょう。

「チーム」づくりを勧めるのは、いつでも、誰でも、中長期的に運用できるための知恵を蓄えるためです。特に、一度や二度トライしたけれど継続できなかった経験がある場合、その原因は何だったでしょうか? 例えば、限られた人数による運営のため、通常業務にも支障が出たり、コンテンツのネタに行き詰まったり、「書くことが好き」という一部のスタッフに頼りきりで、そのスタッフが動けないと運営自体が滞ったり…。行き当たりばったりで、計画的でなかったことはありませんでしたか? これから運営しようとする人たちは、気をつけましょう。というのも、今後十分に考えられる、運営の壁となるからです。運営は、こうした壁を乗り越え続ける必要があります。

そこで、複数の人間によるチームでの運用が大事になってきます。チームをつくり、社内/組織内で自走できる仕組みを設けることで、安心した運用が可能になります。安心した運用こそが、ナレッジの蓄積にもつながるのです。

チームづくりの効用としては、以下が考えられます。

(1)特定の人間ばかりに頼らない運営

(2)書き方の共有(属人化防止)

(3)ナレッジがたまり、未経験者にも引き継げる

「なぜ」を共有したチームが、つくり方も共有しながらナレッジをためていく仕組みや循環があると、1人あたりの負担は減り、運用リスクも軽減されます。成果を生み出すためにコンテンツづくりを選択したのなら、サステナブルな(持続可能な)仕組みをつくれるかどうかが分水嶺だと考えてください。

チームには、“編集者”を設ける

スタッフ構成については、ライターとともに、記事の良し悪しなどを客観的に判断する編集者も設けましょう(01)。ライターは、社内で書きたい有志を募ったり、社歴の短い人やインターン生に社内事情を深く理解してもらう目的で参加してもらうのも一案です。

ここでの編集者とは、オウンドメディアもしくはブログを運営すると決めた人たちの中で、現場で各コンテンツについて掲載の可否を決める人たちのことです。構造としては、編集者がライターを募る形になるとわかりやすいです。編集者は、それなりに社歴がある社員か、インターン歴が長く、現場(コンテンツづくり)に精通するミドルインターン生を立てる手もあります。編集者とライターの間には、運用ルールとしてヒエラルキーが存在しないようにしておけば、円滑に運営しやすくなるでしょう。立場に上下関係があるわけではなく、役割が異なる点を共有しながら、それぞれの立場でやるべきことをやることで、最適なコンテンツが公開できる、という点を共有しておくのです。

記事を書くライターと違って、編集者の存在がピンとこない読者がいそうです。コンテンツを客観的な立場で判断する編集者がいると、メディア全体の方向性や中身が統一しやすくなりますし、ライター依存の体制が避けられます。編集者が事前に記事構成を把握できる体制にできると、ライターが何を書いていいか迷うことも避けられます。

他にも編集者の大事な役割は、ライターのモチベーション管理です。原稿への敬意を払いながら中身を確認します。編集者として判断に迷う状況は、その内容を記録して、後々の知見にも活かすといいでしょう。

編集者とライターをきちんと設けた仕組みがあると、選択肢として、プロとして活躍するライター(外部)にもお願いしやすくなります。プロを相手に持て余すという事態が避けられ、組織力強化にもなるでしょう。

社内体制を仕組み化する

次に、編集者とライターが集まったチームでコンテンツをつくる際に、気にしておくべき点を整理しておきましょう。

(1)チームは何名編成が最適?

(2)コンテンツのテーマはどう決める?

(3)制作期間はどれほど設ける?

(4)更新頻度、公開ペースは?

読者の多くは、オウンドメディアに専念できるケースは少ないでしょう。本業との兼務でかかわる場合を想定すると、社内体制の仕組み化は必須です(02)。

(1)について、参考までにGoodpatchの場合、編集者2名(社員)、ライター3名(インターン生)で初期はブログを運営していました。5名くらいの規模でチームが組めると、編集者とライターともに、どちらかが1名動けなくてもサポートしやすく理想的です。5名も人数が確保できない場合は、役割分担とともに、事前にコンテンツをストックしたり、公開ペースを調整するなどをしながら、安定感のある運営を目指しましょう。

(2)では、例えば週に一度と決めて、時間を区切って一同が集まり、意見交換の場を持ちましょう。各メンバーがテーマ案を持ち寄り、目的に関連した話題やキーワードを整理しながら、ユーザーが求めるテーマを探るのです。いくつか候補案が出てきたら、各ライターは書けそうな案、トライしたい案を選び、執筆開始。個別で編集者とライター間で記事の方向性、伝えたい中身を共有しておけば、実際に書き進めた際に迷いが生じても、編集者がライターをサポートしやすいです。

(3)は、実際に運営しながら無理のないスケジュールを組めばいいでしょう。慣れないうちから、1週間以内に4,000字以上などと条件を設けても非現実的です。3週間~1カ月くらいのゆとりあるスケジュールで進めながら、並行して複数のチームが別のテーマで自走できると、公開頻度を担保した運営といえます。

(4)は、運営の目的と関連しますが、第三者が継続して運営している状態を基準にします。1週間に1度、例えば毎週水曜日に更新と決めて、ユーザーに認知を高めていくといいでしょう。

メモや思いつきでも気軽に“共有”する

仕組み化の利点は、仕組みを通じて社内に知見が貯まることです。「原稿を書いておいて」とだけ上司に言われても、困ってしまうのが本音です。本業との兼務で周囲のサポート体制がおざなりになることも考えられます。無茶ぶりをしない体制づくりが大前提ですが、なるべく速やかにコンテンツを用意しなければならない場合にも、ある程度困らず慌てずに用意できる仕組みがあれば、余裕を持った運営が可能です(03)。

頭を悩ませるのが、コンテンツのネタ探しでしょう。そこで、寄稿ネタを手軽に社内で共有できる仕組みをつくっておきましょう。例えば、定例のミーティングで話題にするための材料を、ノルマを設けずチーム全員で集めるようにします。チームメンバーが集う任意の共有ツールを使って、オウンドメディアの目的に少しでも紐づきそうなメモ、記事などのURL、思いつき、などをアップロードしておきます。メンバー全員が気兼ねなく、いつでも誰でも参加できるように、メモでOK、アップロードした内容は決して否定しないなど、ハードルを下げる運用のルールも設けておきます。

共有ツールなどの活用は、定例ミーティングの垣根を下げる効果もあるでしょう。チームでデータを貯めておけば、後からの振り返りや、「あの時のアイデア、今なら使えるかも」といったネタの掘り起こしにも活用できます。

最後に、知見の「見える化」にもつながる、オススメの共有ツールを3例挙げます。みなさんにとって使いやすい1例で、まずは試してみてください。

(1)esa

(2)Googleドライブ

(3)Trello

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