共同編集の「ムダ・ミス・リスク」をゼロに! MovableType.netが実現するプロ仕様のチーム運用テクニック(前編)

複数メンバーでCMSを運用していると、いかに共同作業を円滑に進めるかが課題になります。記事の承認フローに手間がかかれば更新スピードが落ち、誤操作による記事やテンプレートの改変・消失といったリスクも避けられません。

MovableType.netには、そうした「チーム運用の悩み」をスマートに解決できる機能が備わっています。ここでは、MovableType.netを活用して共同作業の課題を解消し、チーム制作をよりスムーズにするためのテクニックを紹介します。(前後編の前編)

▶︎後編はこちらから

目次

クライアント確認をスムーズに。ログイン不要の「共有プレビュー」

Webサイトの記事制作では、「CMSにログインできない人にどう見せるか」が課題になることがあります。そんなときに役立つのが、MovableType.netの「共有プレビュー」機能です。

この機能を使えば、下書き中の記事でも共有用のURLを発行でき、CMSにログインしていない人でもURLを開くだけで内容を確認できます。パスワードによる閲覧制限にも対応しており、情報保護の面でも安心です。

さらに、記事単体だけでなく、トップページや記事一覧などの関連部分も公開後の状態で確認可能。PDFやWordファイルによる確認フローに比べ、公開時の表示を具体的にイメージしながら校閲・承認を進められるのが大きなメリットです。

①記事を下書き保存すると、上部に「共有プレビューを開く」というリンクが表示されます。右側の[記事の操作]メニュー内にも同じ項目があります
②[共有プレビューを開く] 項目をクリックすると、実際のWebサイトに反映された状態のプレビュー画面が表示されます
③画面の右上に並ぶ3つのボタンの中にある[共有プレビューリンクを取得]ボタンをクリックすると、プレビュー用のURLを取得できます。このURLをほかの人に伝えると、MovableType.netのアカウントがなくても内容を確認できます
④隣の[公開時のパーマリンクを取得]ボタンでは、記事公開後のURLを事前に取得できます

多人数運用に欠かせない「ワークフロー」機能

記事を上司など別の担当者にチェックしてもらい、承認を経て公開するフローを採用しているチームも多いでしょう。しかし、伝達ミスや確認の遅れなど、さまざまな要因で承認が滞ることも少なくありません。MovableType.netの「ワークフロー」は、こうした承認プロセスをスムーズに進めるための仕組みです。

この機能で「承認者」を設定すると、記事の編集画面に[承認依頼]ボタンが表示されます。執筆者がそこから承認依頼を送ると、承認権限を持つメンバーに自動でメールが送信。承認者が内容を確認し、公開権限を持つメンバーが本番公開に切り替える、という流れです。

ワークフロー機能は、スタンダードプラン以上で利用可能。社内の承認プロセスを可視化できるのはもちろん、外部ライターとの共同制作にも活用しやすい機能です。

①左のメニューから[ワークフロー]→[新規]を選び、新しいワークフローを作成します。名称を入力し、「承認者」を設定しましょう。承認者は複数設定可能で、承認者とは別に、コメントを書き込むだけの[レビュワー]も設定できます
②ワークフローを設定すると、記事編集画面の[公開]ボタンが[承認依頼]に変わります
③申請者が[承認依頼]ボタンを押すと画面が切り替わります。必要に応じてメッセージを入力し、[依頼する]をクリックします
④承認依頼を送ると、「承認者」に設定されたメンバーにメールが届きます。メール内のリンクをクリックすると記事がWebブラウザで開きます
⑤承認者は承認操作のほか、記事内容にコメントを送ることもできます
⑥承認が完了すると、記事編集画面の上部に「承認済み」と表示されます。公開権限を持つ場合は、[承認依頼]ボタンが[公開]に変わり、クリックで記事を公開できます

上書きミスを防ぐ。確実に復元できる「履歴・差分比較」

複数のメンバーで1つの記事を編集していると、「以前の文章のほうが適切だった」と感じる場面が出てきます。そんなときに頼れるのが、「履歴・差分比較」機能です。

MovableType.netでは、記事の編集履歴が自動で保存され、過去の履歴を一覧で確認できます。任意のバージョンを選んで内容を比較することもでき、変更箇所はハイライト表示されるため、どこが変わったのかをひと目で把握可能です。

過去の状態に戻したい場合も、ワンクリックで簡単に復元できます。チームでの共同編集において、安心感を大きく高めてくれる機能です。

①記事編集画面では、[保存][公開][更新]などのボタン上部に[変更履歴を表示]リンクが表示されます。公開・非公開を問わず利用できます
②日付部分をクリックするとエディタ画面に切り替わります。過去の日付を選んで内容を切り替えることが可能です
③[履歴を比較]ボタンを押すと、過去の記事との差分を色分けで表示します。濃い色で示されている部分が変更箇所です。過去の日付部分をクリックすると記事編集画面に移行し、[更新]ボタンをクリックすると過去の状態に復元できます

公開トラブルを防ぐ。本番と分離された「ステージング環境」

Webサイトの細かなリニューアル作業では、適用後に表示崩れや機能不具合が見つかり、前の状態に戻したいというトラブルが起こりがち。MovableType.netの「ステージング環境」機能は、こうしたリスクを最小限に抑えるための仕組みです。

この機能では、公開中のWebサイトとは別に、外部から閲覧できないテスト(ステージング)環境を構築し、現行サイトを複製できます。デザイナーやエンジニアはこの環境で安全にメンテナンスを行い、作業完了後にクライアント側が見た目や動作を確認可能。確認が済んだら、ボタンひとつで本番環境へ反映できます。複雑な手順を踏まずに、安全で確実なリリースが実現します。

ステージング環境はスタンダードプラン以上で利用可能です。本番とほぼ同じ環境で制作・検証ができるため、リニューアル時はもちろん、大規模キャンペーンやニュース公開前の確認など、慎重なリリースが求められる場面で力を発揮します。

①[ステージング]メニューから[新規]を選択します。ステージング環境のURLや、見分けやすい「ラベル」を設定し[作成]ボタンを押します。対象を細かく分けることも可能です
②作成が完了したら、改めて[ステージング]メニューの[一覧]を開きましょう。作成したステージング環境が表示されているはずです
③一覧画面でラベルをクリックすると、ステージング環境のダッシュボードが表示されます。ここからテンプレートの管理などが行えます
④ステージング環境は[本番環境へ適用]ボタンで即座に本番環境へ反映できます。また、[ステージングの操作]メニューから[適用を予約する]を選べば、日時を指定して切り替えることも可能です

後編へ続く

文:小平淳一

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