「表現力×保守性」で制作の理想形に近づく! ユニエル・野田一輝さんが体感したWix Studioの底力

株式会社ユニエルは、ブランディングを軸にWebサイトやロゴ、パッケージなど幅広い制作を手掛けるクリエイティブスタジオです。同社はこれまで、クライアントのコーポレートサイトと並行してECサイトを制作する案件で度々ノーコードWeb制作ツールを用いてきました。

今回は、同社CEOでアートディレクターの野田一輝さんに、Wixのプロフェッショナル向けノーコードWeb制作ソリューション「Wix Studio」を使った制作を体験していただきました。実際の使用感や活用の可能性についてどんな印象を持ったのか、Wix.com Japan株式会社シニアマーケティングマネージャーの今村桃子さん、デザイナーの楊 令傑(Yang Lingjie)さんと共にうかがいました。

目次

デザインツールに近い感覚で、自由度の高いレイアウトができる

––––野田さんはこれまで、ノーコードのWeb制作ツールを使ったことはありますか?

野田一輝(以下、野田)  はい、ECサイトを構築する際によく利用しています。コーポレートサイトと並行してECサイトも立ち上げたいというお客様に対して、コストを抑える目的でご提案するケースが多いですね。テンプレートが豊富で、最終的なアウトプットのイメージをお客様に共有しやすいのも利点です。

一方で、ノーコードには自分たちでできることに限界もあると感じています。当社が展開する日用雑貨ブランド「STAYFUL LIFE STORE」のECサイトでは、ノーコードツールをヘッドレス化し、独自のカート機能を組み込んでいます。

楊 令傑(以下、楊)  今回はWeb制作者向けのノーコードツール「Wix Studio」をお使いいただきましたが、実際の使用感はいかがでしたか?

Wix.com JapanがWeb制作のプロフェッショナル向けに提供するノーコードWeb制作ツール「Wix Studio」

野田  ユニエルの英語版サイトを制作してみたのですが、まずレイアウトやアニメーションの自由度が非常に高いと感じました。文字組みもきちんとできて、レスポンシブ対応のレイアウトもつくりやすかったですね。

ファーストビューの写真や文字にさまざまなモーションを設定したり、中盤のセクションでは背景に動画を置いたりしていますが、これらはすべてWix Studioの標準機能で実装できました。

野田さんがWix Studioで制作したデモサイトのファーストビュー

文字の回転や反転に加え、縦組みやボックス組みなど、日本語も美しく組める印象です。普段はコーディング段階でエンジニアに行間や改行位置などの細かい調整を依頼しているのですが、それを自分の手で完結できるのは大きな利点だと感じました。

株式会社ユニエルのCEO/アートディレクターの野田一輝さん
Wix.com Japan株式会社デザイナーの楊 令傑(Yang Lingjie)さん

––––デザインは、先にFigmaなどで制作されたのでしょうか?

野田  いえ、今回は直接Wix Studioの画面上でデザインしていきました。普段はFigmaやPhotoshopでデザインを作るのですが、Wix Studioでは「ここにこれがあったらいいな」と考えながら動きを試しつつ、モックアップをつくるような感覚で形にしていくことができました。試行錯誤しながら進められるのは、クリエイティブの面でも非常に良い点だと感じます。

今村桃子(以下、今村)  なるほど。デザインツールに近い感覚でお使いいただいたのですね。制作時間はどのくらいかかりましたか?

Wix.com Japan株式会社シニアマーケティングマネージャーの今村桃子さん

野田  2日ほどです。まだ一部、細かな調整は必要ですが。

––––ページを組み上げる際の使い勝手はいかがでしたか?

野田  そこは慣れの問題だと思います。私たちの世代はFlashから入って、PhotoshopやFireworks、そして現在のFigmaまで、操作感の近いツールを使ってきました。Wix Studioでもレイアウトツールやモーションのパネルなどはすぐに理解できたのですが、セクションやデータベースの追加といった部分は、その都度少し時間がかかりました。

私の感覚では、デザインツールに慣れている方であれば、2〜3件ほど制作を行うことで操作感は身につくという感想です。習得の難易度は高くありませんでした。

最後の詰めまで、自分の手で表現をつくり込める

  Wix Studioの機能から、表現面でインスピレーションを受けた部分はありましたか?

野田  やはりモーションの種類が多かった点ですね。背景に追加できるWebGLエフェクトなども用意されていて、手軽さだけでなく、しっかりと“こだわってつくる”感覚が得られると感じました。

私の場合、普段は最終段階のブラッシュアップでエンジニアにつきっきりになってもらうことが多いのですが、Wix Studioならデザイナー自身で細部の微調整まで行える。最後まで意識のズレなく理想を追求できるのは、大きな魅力だと思います。

ホバー、ループなど多彩なアクションをノーコードで実現。Lottieにも対応
公式チュートリアル動画

また、映像再生のプログラム制御など、これまでエンジニアへの依頼を前提に考えていた部分については、「今回はWix Studioの機能で実現できる範囲でやる」と、早い段階で割り切って進めるようにしました。

今村  野田さんには、より一般向けのノーコードツール「Wixエディタ」にも少し触れていただきましたが、プロ向けのWix Studioと比べてみていかがでしたか?

野田  Wixエディタは非常にシンプルで、初見でも2時間ほどあれば、ある程度ページを形にできました。使い勝手は、どちらかといえばスライド制作ツールに近い感覚ですね。一方、Wix Studioは多機能でレイヤーの概念もあり、よりデザインツールに近い印象です。

また、Wix StudioのCMS機能もぜひ試してみたくて、今回制作したページに組み込んでみたのですが、とても使いやすかったです。EC機能にも非常に興味がありますし、Wix Studioだけで本格的なECサイトを構築できるのではないかと期待しています。

今村  ありがとうございます。顧客管理や売上管理のダッシュボードもありますし、マーケティングオートメーション機能でリマインドメールやクーポンを配信するなど、より積極的な営業活動にも活用していただけます。

ショップ構築だけでなく、売上アップやエンゲージメント向上に役立つ機能も充実

  逆に、Wix Studioの機能や使い勝手に制約を感じた部分はありましたか?

野田  そうですね。将来的にアプリ版が登場すれば、さらに広がると思います。ローカルにインストールできれば、ショートカット操作やUIのカスタマイズ、ローカルフォントの扱いなど、使い勝手の面でより柔軟になると感じました。

クライアントのサイト運用と保守が1カ所で完結する

––––従来のノーコードツールでは、ブランディングの実現に必要なデザイン表現力が十分でない点が課題とされてきました。Wix Studioは、そうした高い表現性が求められるブランドサイトの制作にも対応できると思いますか?

野田  そうですね。フォントやレイアウト、動画・写真の配置、アニメーションなど、制作に必要な表現はひと通り実現できると感じました。使い方に慣れてしまえば、あとはコーディングと比べてどちらがデザインの再現性を高められるか、という違いの問題だと思います。

実際に使ってみて、Wix Studioの表現力の進化には驚かされました。今後は、ブランドサイトを含め幅広い案件で十分に採用の選択肢に入ってくると思います。

––––Wix Studioを採用した場合、クライアントにとってはどのような利点があるでしょうか?

野田  やはり、お客様自身で更新できることが第一ですね。次に保守の面があります。たとえばWordPressを採用した場合、継続的なプログラムのアップデートやサーバのメンテナンスが必要になりますし、ドメインやサーバ、保守契約、付帯サービスなど管理のチャネルが増えてしまう。その結果、担当者が変わると情報が引き継がれないケースも起こりがちです。これらがひとつのサービス内で完結できるなら、それに越したことはありません。

こうした考え方は、当社のスタンスにも近いと感じました。私たちはWebサイトを可能な限りお客様自身で運用できるよう、徹底的にカスタマイズして納品しています。WordPressを採用する場合もテーマやプラグインは自作し、アップデートを自動化。サーバ側のメンテナンスも数年に一度で済むよう設計しています。すべてをその状態でお渡しできるのは、大きな強みだと思います。

また、CMSのデータベースをエクスポートできるのも重要なポイントです。ノーコードツールは仕組み上、データが手元に残らないことが多いですが、エクスポートできるのはバックアップの観点からも非常に安心だと感じました。

––––ユニエルさんがもしWix Studioを採用するとしたら、会社としてどのようなメリットやデメリットが考えられますか?

野田  素材や内容さえそろっていれば非常にスピーディに制作できるので、新しいものをつくる際に動きやすいのは大きなメリットだと思います。

デメリットというほどではありませんが、これまで外部エンジニアに依頼していた構築部分を社内のデザイナーが担うとなると、デザイン以外の工程に時間を割く必要が出てきます。小規模なチームほど、プロジェクト完遂までの時間は短縮できても、デザイナーが同時に進められる案件数は減ってしまうかもしれません。この点は、分業体制が整っている会社であれば問題ないと思います。

––––実際に採用するとしたら、どのような案件に向いているでしょうか?

野田  メディアサイトやブランドサイトなど、要件が明確に定められたプロジェクトには十分対応できると思います。一方で、フルWebGLでしっかりモーションを組み込むような表現重視の案件では、ややハードルを感じました。

ただ、表現の手段自体は豊富にそろっているので、最終的には制作者の覚悟次第だと思いますね。

取材・文/笠井美史乃、写真/山田秀隆 企画・協力/Wix.com Japan株式会社
※本記事はWix.com Japan株式会社とのタイアップ記事です。

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