【イベントレポート】MTDDC Meetup TOKYO 2025──変化するWeb制作と「Movable Type 9」が示す未来

こんにちは! CMS「Movable Type」シリーズを開発・提供するシックス・アパートの長澤亜耶実です。今年5月に入社し、現在はマーケティングを担当しています。

2025年11月29日(土)、Movable Type 東京地域のユーザーグループ「MT東京」のメンバーを中心とした運営チームが主催するカンファレンス「MTDDC Meetup TOKYO 2025」に参加してきました。今回の会場は、LINEヤフー株式会社のオフィス。この記事では、イベント当日の様子をレポートします。

目次

「MTDDC Meetup」とは?

MTDDCは「Movable Type Developers & Designers Conference」の略で、Movable Typeを中心にWeb全般に関わる人が学べるイベントです。

2007年8月に東京で、シックス・アパートが「Movable Type 開発者向けカンファレンス(Movable Type Developer Conference)」を開催したのが始まりで、その後デザイナー向けセッションが加わり、現在の「MTDDC」という名称になりました。2010年以降は、ユーザーグループが主催する「MTDDC Meetup」が各地で開催されています。

MTDDC Meetup では、CMSやWeb制作、運用にまつわる幅広いセッションが用意されており、Movable Typeユーザーに限らず、Webに関わる方なら誰でも楽しめる内容になっています。また、スポンサー企業によるブース出展もあり、多方面から情報収集できる点も魅力です。

今回のテーマは「Future of Web Creation」

今年で11回目の東京開催となる今回は、テーマとして「Future of Web Creation⁠」が掲げられました。

ここ数年、Webサイトの作り方や運用方法は大きく変化しており、Movable Typeもその流れの中で進化を続けています。さらに今、生成AIをはじめとした新しいテクノロジーの登場によって、Web制作の考え方や進め方にも新たな選択肢が広がりつつあります。

MTDDC Meetup TOKYO 2025は、こうした変化の中で、私たちWebに関わる人たちが何を感じ、どう向き合い、そしてどんな未来を描いていくのかを共有しながら学び合う場として開催されました。

キーノートセッション「MT9とWebCMSをとりまく未来」

イベントは、シックス・アパート代表・平田大治によるキーノートセッション「MT9とWebCMSをとりまく未来」からスタートしました。

シックス・アパート代表・平田による基調講演の様子

まず、CMSが広く普及してきた背景や、動的生成と静的生成の違い、そしてMovable Typeが静的生成を採用してきた理由について解説。続いて、最新バージョン「Movable Type 9」に搭載された新機能の概要を紹介し、今後の長期運用を見据えた新たなプロダクト・ライフサイクルポリシーについても説明しました。

後半では、ヘッドレスCMS、ノーコードツール、マネージドサービスといった近年のトレンドに触れつつ、SNSだけで情報発信が完結するケースが増えている現状を指摘。特定のプラットフォームに依存することのリスクを示し、自分たちでコントロール可能なプラットフォームやツール上で情報を発信する重要性を強調しました。

最後に、AIが生活に不可欠な存在となりつつある今、その成長を支えるインターネットの健全性を維持することこそが、Webサイトやコンテンツを制作する上で極めて重要であると締めくくりました。

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最新版「Movable Type 9」の新機能を徹底解説!

続いて登壇したのは、シックス・アパート プロダクトシニアマネージャーの早瀬将一。セッションの冒頭ではドローンを飛ばす演出が行われ、会場の空気が一気に盛り上がりました。

ハンドジェスチャーでドローンを操作するシックス・アパート早瀬

和やかなムードの中、セッションでは2025年10月22日にリリースされた Movable Type 9 の新機能や改善ポイントを中心に、今回のアップデートがどのように制作・運用に活かせるのかが紹介されました。

管理画面のUI改善、リッチテキストエディタや画像ウィンドウの刷新など、使いやすさを高めるための変更点がまとめて解説されたほか、SaaS型CMSである「MovableType.net」「MovableType.net フォーム」や「MovableType.net サイトサーチ」の最新情報や、この1年で実施された機能強化についても、わかりやすく説明されました。

▼スライドはこちら

盛り上がりを見せたセッション会場

今回の MTDDC Meetup は、4つの部屋に分かれてセッションが同時進行する形式で開催されました。どのテーマも興味深く、どこに参加するか直前まで迷うほど。満席となる部屋も多く、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。

全体としては、AI とアクセシビリティを扱ったセッションが特に多かった印象です。私自身、これからアクセシビリティの理解を深めたいと考えていたこともあり、多くのセッションが刺激となり、大変学びの多い時間となりました。

株式会社ジャクスタポジションの西山さんによるセッションの様子

株式会社ジャクスタポジションの西山泰史さんによるセッション「”未完成”というもう1つの選択肢、MovableType.net専用テーマ『HalfMadeThemes』」では、その誕生の背景や、制作現場が抱える課題を踏まえながらテーマのコンセプトが紹介されました。

Web制作においては「フルスクラッチは高コストな一方で、既存のデザインテーマはカスタマイズ性が低い」という二極化した課題があります。HalfMadeThemesは、その間を埋める“第三の選択肢”として登場したもので、これまで制作会社が多くの工数を割いていた初期構築を大幅に簡略化し、本来注力すべき情報設計や価値提供にリソースを振り向けられると西山さんは説明します。

デザインやコーディングはAIでも代替が進みつつありますが、サービスの価値を言語化したり、ユーザーにどう見せるかを設計したりする部分は、Web制作者が向き合うべき重要な領域である–––––その点が特に印象に残りました。

ノベルティも好評!シックス・アパートのブース

シックス・アパートのブースの様子

シックス・アパートのブースでは、サービス紹介動画の上映に加えて、実際の画面を使った操作デモを実施しました。あわせて、パンフレットや「MovableType.net」のテンプレートカスタマイズの基礎が学べる冊子、ノベルティなども配布し、多くの来場者の方に立ち寄っていただきました。

▼ブースで流したサービス紹介動画はこちら

Movable Typeを中心としたイベントということもあり、シックス・アパートの公式キャラクター「トフ」をすでにご存じの方が想像以上に多く、声をかけていただく場面もありました。ブースには新作ノベルティも並んでおり、手に取って喜んでいただけたことがとても嬉しかったです。

イベントを通して感じたこと

懇親会では、参加者によるライトニングトークや歓談で大いに盛り上がりました。

会場では新しい出会いが生まれる一方で、「久しぶり!」と声を掛け合う姿も多く見られ、まるで同窓会のような温かな空気に包まれていました。

今回のイベントを通じて強く感じたのは、Movable Typeという製品は、開発元であるシックス・アパートだけでなく、ユーザーやパートナーのみなさんと一緒に育てているのだということ。それぞれが経験や知識を持ち寄り、みんなでハッピーになろうとする文化が根づいていることに、改めて魅力を感じました。

今回参加できなかった方も、次の機会にはぜひ足を運んでみてください。現場ならではの熱量や学びにきっと触れられるはずです!

文・写真:長澤亜耶実(シックス・アパート)

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