
クライアントの世界観を建物やドメイン名にまで行き渡らせる
クライアントの本質を見つけ出しトータルでブランディング
エコノシスデザインは、Webサイトだけに留まらず、ロゴやパッケージ、ときには建築物にまで関わるほど、トータルでブランディングを手がけている。そのブランド構築は、本質を見抜くことからスタートしていくという。
「ブランディングがうまくできない原因は、自社の強みや価値を整理できていないことにあります。我々は、クライアントや業界について調査し、商品やサービスを体感し、主観と客観両方の視点でアイデアを考え、それらの材料を基に会話をしていくことで本質を見つけていきます。その作業に多くの時間を割くので、『まだデザインに入らないのですか?』と言われることもあるほどです」
さらに心がけているのが「デザイナーのエゴでデザインを押し付けないこと」だ。
「重要なのは、トータルで見たときにユーザーがどういう印象を抱くかです。サイトを見て良い印象を与えても、実際の製品や店舗などとイメージがかけ離れていると、ギャップからマイナスの印象になってしまいかねません。クライアントの本質をきちんと捉えたうえで、その世界観が伝わる方法を考えて、効果的に具現化できるデザインを探るようにしています」
そうしたブランド構築力が発揮されたのが「松井アーキメタル」の案件だ。同社は、創業70周年を機に社名変更、本社の移転を行うことになった。エコノシスデザインでは、Webサイトなど広報物の制作はもとより、ロゴ制作、社名の提案、新工場を手がける建築家の紹介など、トータルでリブランディングを実施した。Webサイトは、松井アーキメタルの強みである職人や丁寧さをアピールするデザインにしたという。



建築資材の卸売りや、成形加工などを手がける松井アーキメタルのコーポレートサイト。長年に渡って京都でビジネスを展開してきた歴史ある企業だが、70周年を迎えたタイミングで社名も含めたリブランディングを実施。エコノシスデザインは、新社名の提案や、Webサイトやロゴなどの広報物の制作を担当。また、新しい工場建築に際して建築家を紹介するなど、まさにデジタルからリアルまで総合的にブランド構築に携わった。「社名の“M”と建築資材の形から着想を得た」というロゴデザインも秀逸だ
“クライアントの世界観を表現”という点においては、「A.C.E.波多野一級建築士事務所」のリニューアル事例も秀逸だ。クライアントが設計する建築のように、5年後10年後に見ても古く感じられないサイトを制作。はやりの技術を使うよりも読みやすさを意識し、その分フォントやレイアウトなど細部には徹底的にこだわったところ、問い合わせ数が倍増した。

京都を拠点に活動する一級建築士・波多野崇氏の事務所サイト。「家の建築を依頼する一般の方々にとって、建築士に問い合わせをするのはハードルの高い行為です。そのハードルを少しでも下げるために、デザインやコンテンツはもちろん、ドメイン名にも気を配りました」と木下氏。親しみやすいデザインで、「家づくり入門」という建築にまつわる疑問を解消するコンテンツも用意している
また、トータルでブランディングを行った神戸のバーベキュー場「KOBE WEST WINERY & BBQ」の事例では、楽しげな雰囲気をイラストで表現したり、食材のシズル感や賑わい感の撮影に長けた海外のカメラマンに撮影を依頼したりするなど、さまざまな手段を駆使してクライアントの世界観を表現している。

神戸ワイナリー内にあるバーベキュー場のWebサイト。こちらもWebサイトの他にビジュアルアイデンティティから各種広報物、パッケージデザインなどトータルでブランディングを手がけた。提案にあたり、日本中のバーベキュー場やターゲット層について調査し、膨大な量の資料を用意して話し合ったという。「実際に現地に行って確かめたいと思ってもらえるよう、説明をし過ぎないサイトにしました」と木下氏
ドメイン名もクライアントの世界観を表現する要素に
エコノシスデザインでは、ドメイン名を提案する際には、JPドメイン名を勧めるという。
「信頼感があり、日本をアピールできるからです。また、スタンダードなドメイン名であることで、訪問者に安心感を与え、きちんとしたWebサイトだという印象になるのではないかと思います」
さらに、状況に応じて「.co.jp」と「.jp」を使い分けているという。
「松井アーキメタルのようなBtoBや規模の大きい企業の場合は、企業らしさを押し出す『.co
.jp』が適していると思います。一方、A.C.E.波多野一級建築士事務所のように個人で活動している場合や、KOBE WEST WINERY & BBQのようなレジャー施設は、カジュアルさや親しみやすさのある『.jp』が合っているのではないかと思います」
つまり、ドメイン名もクライアントの世界観を表現する要素の一つだと捉えているのだ。
最後に今後の展望をうかがった。
「これまでも仕事の1割ほどは海外案件でしたが、今後はさらに割合を増やしていきたいです。そのため、外国人スタッフや海外生活経験のあるスタッフを増やしています」
数多くの“世界観”をデザインしてきたエコノシスデザインが、“世界”でどんな表現をしていくのか、楽しみだ。

豊富な実績と知見を武器に、企業のブランディングをサポートするデザイン事務所。京都だけではなく、関西や東京、さらには海外にもクライアントを有する。スタッフの副業も奨励しており、それぞれが独自の働き方をしながらスキルを磨いているhttps://www.econosys.jp/
企画協力:株式会社日本レジストリサービス(JPRS)