
どんな人がグロースハッカーに向いている?●特集「成長戦略 グロースハック」
僕の考えでは、実は、「すべての人」が向いている、と思っています。新しい職業でまだはっきりとした形が定まっていないということもありますが、製品を作り、その良さを伝え、成長戦略まで担うという、多様な分野の専門性求められていることを考えると、スタート地点はどこでもいいからです。今は需要に対して、供給がまったく間に合っていませんから、多くの人にとって、大きなチャンスがあると考えていいと思います。
そうした中でも、これから到来するであろう「グロースハッカー採用競争」の中では、業界や専門領域を超えて、以下のような職業の経験者に大きな価値があるのではないかと考えています。
プロダクトの専門家、プロダクトマネージャー 起業家
UXの専門家 データ・サイエンティスト エンジニア 記者
グラフィックデザイナー マーケター 心理学者
これらの専門的な経験や知識、スキルに加える重要な資質としては、研究者やエンジニアのような職人的な地道なプロセスを好みながらも、大胆に、柔軟に意思決定して、行動を起こしていけるような性格が大事だと感じています。
参考までに、以前のFacebookのグロースチームの人材採用基準は次のとおりであったとのことです。
・ IQが非常に高い
・ 目的意識が非常に強い
・ 成功に対する飽くなきフォーカス
・ 挑戦的で競争心が強い
・ 完全主義者のごとく品質に対する高い基準を持っている
・ 変化と破壊を好む
・ 物事を改善するための新しいアイデアを考えられる
・ 誠実で信頼がおける
・ 周囲を素晴らしい人に囲まれている
・ 周囲を気にせず、実際の価値を作り出すことのみを意識する
・ 完璧で簡潔なフレームワークを打ち立てられる
これは、かつてFacebookのグロースチームを率いていたチャマス・パリハピティヤが「Growth Hackers Conference」で語ってくれたもので、「社内文化がすべてに優先して重要であり、それは、すなわちグロースチームのための人の選び方が重要」とのことです。

- Text:高橋雄介
- 2013年、米国・シリコンバレーにてAppSocially Inc.創業。CEO。専門はデータベース、知識ベース、マルチメディアデータベースとその応用、顧客開発。ブログ「GrowthHacker.jp」を運営。日経ビッグデータ、TechCrunch Japan等でグロースハック、データサイエンス、ソーシャル、モバイル等について寄稿中。新製品ChatCenter iOを提供中。博士(政策・メディア) Photo by Aito Kodama