[UX2-6]目標の測定方法を定め達成度合いを把握する

目標の達成度を測る指標を持つ重要性

企業が運営するメディアであれば、ECサイトの売り上げを伸ばす、新商品の認知度を上げる、ニーズが発生した顧客に検索で見つけてもらうなど、何かしらの目標があるはずです。そうした最終的に達成したい目標はKGI(Key Goal Indicator/重要目的達成指標)と呼ばれています。そして、この目標をどの程度達成したのかを測るため、細かく段階を分けて設ける個々の指標がKPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)です。

日々の目標達成度合いは、このKPIの数値から判断することができます。そうすることで、現在どの程度目標を達成しているのかが明確になってきます。また、どのKPIが良い(あるいは悪い)からどんな施策を打とうと考え、PDCAサイクルを回していくという風に活用していきます。

KPIツリーのつくり方

KPIとしてどの指標を見ればよいかは、右上の図のような「KPIツリー」を用いてKGIに関係する要素を分解し、導き出すことができます。ツリー内の指標は四則演算で計算できるように設計することがポイントです。

たとえば利益を上げることをKGIとしたECサイトの場合、利益は「売上-支出」からなるものなので、この二つに分解できます。売上は「購入者数×購入者の平均単価」で出すことができるので、ここも分解します。購入者数は「訪問者数×訪問者数のうち購入した人の割合」で出すことができるので、分解します(01)。

こうやってそれぞれの指標を見ていくと、たとえば「訪問者数は多いけれど訪問者のうち購入した人の割合が少ない」「購入者の平均単価は高いけれど購入者が少ない」というように、達成できていない課題が見えてきます。その課題に対して改善するにはどうすればいいか考え、施策を打っていくというように活用していきます。

注意点として、指標はシンプルに成長がわかる指標だけを用いるようにしましょう。要素が多くなりすぎると複雑になり、目標の達成度がかえって判別しづらくなってしまいます。たくさんあるときは、重要項目だけに絞り込むようにしましょう。また、きちんと数字として相関関係を持つものだけを指標にしましょう。「最近SNSでの評判がよい感じがする」というような、数値化できないものはKPIにはなり得ません。

メディアにおけるKPIツリー例

直接利益を出すわけではないメディアの場合は、どのようなKPIツリーが考えられるでしょうか。これも目標をどこに定めるかによって違ってきますが、参考としてGoodpatch Blogの例をご紹介します(02)。

同ブログの目標はブランディング、PR、マーケティングなど多岐にわたりますが、その中でも一番数値化して判断しやすいのが、自社プロダクトProttユーザーの獲得です。しかし、リニューアルしたばかりのブログでいきなりプロダクトの登録数を指標にしても効果はすぐに出ないでしょうし、施策が打ちづらいものです。まずは集客ができていないと、話になりません。そのため第1フェーズとして集客数をKGIとしました。特にオーガニックを中心とした流入を強化し、セッション数を増やしていくことにします。そしてある程度集客できた後の第2フェーズとして、Goodpatch Blog経由でのProttプロダクトサイトへの送客数、その中で登録にいたった数をCookieで計測することにしました。

この第1フェーズのKPIツリーは、サイトのアクセス数であるPVを分解していきます。まずPVは「セッション×回遊率」に分解し、セッションをダイレクト、オーガニック、ソーシャル、リファラーと流入経路ごとに分解しました。

ここでは閲覧数ではなくユーザー数の獲得が目標なので、KGIはセッションとし、特にオーガニックからの流入に注力することにしました。そのための施策として、コンテンツのSEO対策やSXO対策を行っています。

モチベーションの保ち方

メディア運営を始めたからといって、急に大きな成果が上がるということは少ないでしょう。最初の数カ月は大きな動きがないというメディアが大半だと思います。そんな耐える時期に、「いまやっていることは間違っていない」と方向性を確認し、「少しは効果が出ている」ことを実感するためにもKPIは有効です。

たとえば先月よりもオーガニックからのアクセスが増えている記事があれば、「この記事のSEO/SXO対策が効いたんだね」と判断することができます。それを書き手に伝えれば、モチベーションアップに繋がるでしょう。

また、オーガニックが増えてきたら、次はソーシャルを伸ばそう、そのためにSNSで記事の告知をしようとか、回遊率を伸ばそう、そのために関連記事をリンクしようなどと重視するKPIとそのための施策を変えていき、メディアを成長させていきます。

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