
これから始めたい人のための「LINE@」徹底ガイド(3/5)
配信過多やブロックに注意!
LINE@では、友だちになったユーザーがメッセージの通知をONにしていれば、受信と同時にお知らせが届くので開封率が高くなる。しかし、ユーザーが通知に「わずらわしい」「うるさい」と感じたら、通知をオフにしたり、アカウントをブロックしてしまう可能性がある。通知オフの場合は、メッセージが届いた時に通知されないだけで、後からメッセージを見ることは可能だが、ブロックされると以降のメッセージが配信されなくなる。この点は、FacebookやTwitterよりもシビアで、配信頻度が多すぎると通知をオフにされやすい。およそ週に1回、月3~4回くらいを目安に配信するのがよさそうだ。
なお、ブロックはどんなアカウントでも発生してしまう。ブロック率は10%台であればよいほうとされ、平均では20%台の友だちがブロックするといわれている。
運用方法を決定する
LINE@を継続的に運用するために、誰がメッセージを作成し、どのように配信するのかを考えなければいけない。
チェーン店の場合、各店舗にまかせず、本部でメッセージの作成や配信を担当すれば、内容をコントロールしやすい。店舗ではメッセージを見た人の対応(クーポンの受付、特別メニューの提供など)のみに専念する。
一方で、より地域密着型の運用をしたい場合は、店舗で担当者を決めて配信するとよいだろう。たとえば、空席状態をリアルタイムでお知らせする、天候によるクーポンを配布する、といった状況に応じた柔軟な対応をするといい。通常のメッセージなら、スマホのアプリからも作成・送信ができるため、店舗での業務をしながらメッセージを送信することも可能だ。
どんなメッセージが有効か?
LINE@のメッセージの1つのお手本になるのが、「LINE@公式アカウント」だ(01)。このアカウント自体は、おトクなクーポンを配信しているお店や変わったアカウントなど、主に公式ブログ「LINE@お店ガイド」(02)の記事を紹介している。
特に注目したいのが冒頭のリード文だ。ここはメッセージが配信された時に、通知として一部が表示される箇所にあたる。思わず詳細を見たくなる引きの強いメッセージを配置するようにしよう。よくある失敗が、「こんにちは、○○です。」のような書き出し。毎回同じだと思われれば、開封率は下がってしまう。
また、文章は簡潔に。メッセージの配信数で料金が決まるため、要素を詰め込みたくなるが、ユーザーが興味を持ちそうな内容に絞って配信しよう。顔文字の多様も禁物で、必要に応じて文脈にマッチした形で使用する(03)。



クーポン配信のススメ
LINEの「クーポン」機能を使うことで、来店動機につながる割引やプレゼントなどの特典をつけることができる(04)。クーポンはPC版の管理画面から作成し、配信する。配信方法は、「メッセージとしての配信」「友だち追加時のあいさつとしての配信」「タイムラインに掲載」の3つがある。
クーポンの種類は、全員が利用できるクーポンと抽選で当たるタイプの2種類が用意されている。抽選のクーポンは当選率、当選枚数などを設定できるので、「お食事無料券」「全品80%オフ」など、割引率が高くレア感のあるものに適用したい。クーポンの内容は自由に設定できるほか、利用回数制限、有効期限、利用条件なども設定可能だ。
またクーポンは、メッセージとしてクーポンのお知らせが配信された後、1タップしてクーポンの詳細を表示する仕様になっている。ユーザーに1タップさせるには、中身を確認したくなるメッセージを作成する必要がある。開封率は管理画面から確認できるので、運用しながらメッセージを最適化していくといいだろう。
注意したいのは、クーポンの利用率までは管理画面で確認できないことだ。店舗で利用者数を記録し、配信または開封数に対してどれほど利用されたかを自前で評価、検証しよう。

「リサーチページ」を活用する
そのほか、LINE@には簡単に投票やアンケートを実施できる「リサーチページ」という機能が搭載されている。リサーチページ機能には、投票(リスト形式、vs形式、パネル形式)とアンケートの2種類が用意されている(05)。
前者については、たとえば新メニューのネーミング対決に利用する手がある。「新メニューが登場しました」というだけの引きに止まらせず、「今度登場する新メニューは●●●というものです。そこで、新メニューにふさわしいと思う名前に投票してください」といった形で誘導すれば、メニューにも関心を持ってもらえるに違いない。アパレル店の店員同士でファッションのコーディネート対決をやってみたり、イベントの開催場所や日時を投票で決めるなど、さまざまな利用が考えられる(06)。
アンケート形式のリサーチには、さまざまなフォームが用意されており、本格的な調査も可能だ(07)。アンケートの結果は、管理画面からCSVデータとして出力できる。また、どちらの形式でも回答終了時にクーポンを提供することができる。
ゲームセンターを運営するワンダーコーポレーションでは、これらの機能を活かしてLINE@で6万5千人にアンケートのお知らせを配信したところ、14%にあたる9,000人以上の回答を獲得できたという。リサーチ会社にこの規模の調査を依頼したら数百万円はかかってもおかしくない。




- Text:深谷歩
- (株)深谷歩事務所代表取締役。ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援が得意。書籍、Webメディア、雑誌などでの執筆活動に加え、講演なども行う。http://officefukaya.com/