コンテンツマーケティングの実践:戦略の立て方と評価の方法(2/3)●特集「コンテンツマーケティング」

ターゲットや関係性によって、実施すべき手法は変化する

コンテンツマーケティングの手法と一口に言っても、さまざまなものがある。ユーザーによって行動が異なるのはもちろん、自分たちのサービスに興味を持ってくれているかどうかによっても、期待する反応が得られるかどうかは変わってくる。

それだけに、自分たちの狙っているユーザーに対してコンテンツを適切に届けられるかが、コンテンツマーケティングの成否を大きく分けることになる。

例えば、10代の女子高生をターゲットにした商品に関連するコンテンツをFacebook上で積極的に配信したとしても、女子高生の多くはFacebookを使っていないので、がんばって作成したコンテンツも無駄になってしまうだろう。

 

STEP1.自社のフェーズを認識する

コンテンツマーケティングの手法を選ぶにあたって、まずは自社の商品やサービスがどのようなフェーズにあるかを認識する必要がある。そのうえで、右ページに掲載した各フェーズの手法を実践していくのが効果的だ

 

重要なのは、数あるコンテンツマーケティングの手法のなかで、どの手法を活用するのが適切かを判断し、限られた予算の中で効果的に施策を展開することだ。コンテンツマーケティングは時間がかかるが、できるだけ効果の高い手法を選択していくことで、成功の確率を高めることができる。

 

信頼度のフェーズごとに手法を変える

手法選びは、自分たちのサービスが今後獲得したい見込み顧客に対して、どのくらい信頼、認知されているのかを軸にしてみると考えやすい。

第1のフェーズは、まだ自社サービスのことをきちんと伝えられていない状況だ。当たり前のことのように思えるが、十分にできていない企業は多い。その場合、まずは足元を固める意味で、自社サービスのことがわかってもらえる情報を発信しよう。ブログやメールマガジン、商品説明コンテンツやニュースリリースを通じて、基礎的な情報を発信するようにするとよい。また、自社のサービスサイトを見た際に、基本的な情報が一覧してわかるかどうかを再確認する必要もある。

第2のフェーズは、ある程度自社サービスを知ってくれているユーザーがいる状況だ。点在するユーザーを捕まえ、より関係性を深めていきたいと考えているのなら、TwitterやFacebookなどのSNSを使って、定期的な交流を行って再訪を促したり、SlideShareに有益な資料をアップロードして信頼性の強化を行うのがいいだろう。また、同じフェーズで、興味を持ってくれているユーザーが一定数サイトを訪れるようになっているなら、サイト内でウェビナー(Web上での講義コンテンツ)を配信したり、自社商品に関係する情報をインフォグラフィック化することでより興味をもってもらい、サービス利用にあたっての心理的障壁を下げることも有効だ。

第3のフェーズでは、自社サービスのことを知ってくれているユーザーが一定数を超え、ある程度ロイヤルティの高いユーザーがいる場合を想定する。ロイヤルティユーザーを味方につけて新たなユーザーを呼びこむコンテンツや、彼らのロイヤルティをより高めるための施策を展開しよう。ユーザー参加型のコンテンツを企画したり、話題性のあるコンテンツをファンに向けて展開し、拡散してもらうことでより多くのユーザーにアプローチすることも可能になる。また、サイト内にケーススタディやQ&Aなどを充実させることによって、やってきたユーザーの購買意欲をもうひと押しすることができるようになる。

 

STEP2.フェーズごとの手法を選ぶ

各フェーズによって、とるべき施策は当然、変わってくる。すぐに結果を求めずに、調整を加えながら長期的な視野に立って取り組めばいい

 

施策を走らせながら調整を加えていく

さまざまな取り組みがあることを理解いただけたかと思うが、はじめからすべての手法を使うことのできるだけの予算がある企業は限られているし、担当者がコントロールできる範囲も限界がある。無理にあれもこれもやろうとするのではなく、「今、自分たちが狙っていきたい見込み顧客は誰なのか」「その見込み顧客と自社はどういった関係性にあるのか」をしっかりと理解した上で、取り組む手法を選ぶのがいいだろう。

コンテンツマーケティングは長期的に取り組む施策であり、広告とは違って施策を積み重ねていけるのが大きなメリットだ。まずは小さなスタートで構わないので、確実に効果の出そうなところから始めてみよう。半年ほどたち、手応えを感じ始めたら、取り組むスコープを広げてみると良い。取り組みを試す中で、「思ったよりもユーザーの反応が悪い」「継続できるネタがなくなる」などの課題も出てくると思うので、腰を据えながら、試行錯誤していくといいだろう。

 

Text:實川節朗 ナイル(株)(旧:ヴォラーレ(株))
Webコンサルティング事業部グループマネージャー。東京大学卒。2011年よりヴォラーレ(現:ナイル)に参画。コンサルタントとして200を超えるサイトの改善を手掛ける。SEOの技術を強みとし、集客のできるコンテンツマーケティング支援を行っている。 http://nyle.co.jp/
  • URLをコピーしました!
目次