[UX1-5]ベンチマークは「ユーザーとの付き合い方」に注目して選ぶ

本業で気になる会社のサイトが参考になるとは限らない

1章の最後で説明するのは「他社サイトの研究」です。どちらかというと、2章のコンテンツ設計の項目として出てきそうな内容ですが、あえてここで紹介をしているのは、他社サイトを研究することは、ユーザー研究の一環としても、たいへんに役に立つものだからです。

他社サイトの研究というと、どうしても「ページビュー数」や「検索順位」の比較をするといったあたりに目が行きがちです。もちろんそれらの調査も重要なのですが、その際に大事になるのは、「どんなサイトを研究し、自分たちと比較をするのか」、つまりベンチマーク先をどう選ぶのか、という点です。

ふつう、意識するのは本業でライバルとなる同業の企業が運営するブログ・オウンドメディアではないでしょうか。しかも、同じような規模で運用していたりすると、どうしても気になってきます。同業ライバルとのPV比較が社内でも大きな話題になっているという話は今でも時々耳にします。

しかし、それでいいのでしょうか。本業で意識している企業だからといって、ブログ・オウンドメディアの分野で同じような戦略をとっているとは限りません。まったく違うユーザーにアプローチしていることもあるのです。

ユーザーとの付き合い方に注目する

選ばなければならないのは、「ユーザーとの向き合い方が似ている」サイトです。まったくジャンルの異なる企業のサイトであっても、規模が違っても構いません。

仮に、自分たちが「コアユーザーを大切にするコンテンツが充実している」サイトを目指しているのならば、同じくコアユーザーを重視する戦略をとっているサイトをライバルにすべきでしょう。「初心者を広く集めるためのコンテンツを載せている」ならば、その分野で成功しているサイトを研究すべきです。

ここに至るまで、「自社サイトの分析」から「ペルソナ作成」へと進んできた皆さんであれば、すでにそういったサイトを見つけ出す「目」は、十分に養われていると思います。広い視野で、ライバルサイトを見つけ出してください。

その意味で言うと、チームメンバーそれぞれが、「どんなサイトをベンチマークすべきか」をそれぞれ選び、挙げてみるのは面白い試みになるでしょう。メンバー間の視点の一致やズレを確認する機会としても活用できるはず。ぜひ、試していただければと思います。

「流入経路」もライバル選びの参考になる

もうひとつ、ライバルサイト選びに効果的な方法があります。それは「流入経路」の分析です。たとえば分析サイトを活用すると、そのサイトのユーザーが、検索経由で訪れているのか、ソーシャル経由なのか、広告経由かといった配分を調べることができます。その配分比率からは、サイトの特徴、すなわちユーザーとの付き合い方を見て取ることができます。

例えば、ニュース系のサイトは旬な記事が多いため、シェアと直接(ブックマーク)からの流入が中心となります(その分記事の更新頻度が求められます)。一方、検索流入の多いサイトは、トレンドに影響されない記事が充実している傾向にあります。

こういった視点から、自分たちのブログ・オウンドメディアが理想とする姿をしているサイトを見つけ出し、ベンチマーク先に選ぶのです。

ベンチマークサイトを定めたら、その中身や数値を観察しながら、自分たちの姿を映す鏡として、研究と分析を進めていきましょう。

なお、一度ベンチマークに設定したサイトも、規模が変化したり、閲覧者数が増減したりといった理由から、その性格を大きく変えていくことがあります。時々、見直しをはかることを忘れずに。

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