プロジェクトマネジメントをどう学ぶ?「守破離」で取り組もう
Web業界内に留まらない部分も含め、PM力の持つ可能性を教えてもらいます。学ぶメリットや学び方について説明してくれたのは、一般社団法人日本PMO協会の伊藤大輔さんです。
あらゆる業界や日常生活でも使える汎用的なスキルまずは型を覚えることから
「プロジェクトマネジメント」というと、横文字が並んでいたり、管理・統制という意味で訳されてしまったり、どうしても堅苦しいイメージを持たれがちですが、私は単に「目標を期限までに達成するためのやりくり」だと捉えています。これは、旅行に行く時や料理をする時にも実践している、誰しも生まれながらにして持っている能力です。得意不得意はあるものの、学ぶことで底上げを図ることができます。
Web業界においては、システム開発の領域に比べると、まだまだ浸透度は低い状況です。プロジェクトマネジメントの能力には、「目標設定力」「計画力」「実行力」という3つの要素が含まれます。この3つが備わると自分自身で案件をコントロールすることが可能です。ゆえに、自分やチームの生産性を向上させるほか、クライアント案件だけでなく新規事業プロジェクトなどにも活用できます。
業種業界に関係なく、すべての仕事は「プロジェクト」か「ルーティンワーク」に分けられます。再現性のない仕事はすべてプロジェクトであり、そうした仕事に対する高いスキルを持った人材は重宝されることでしょう。会社の利益に貢献できるほか、個人としても仕事を楽に進められるようになります。また、ビジネスシーンに限らず、人生設計などにおいても応用することが可能です。
学びたいと思い立った方には、まずは既存の手法を覚えることをおすすめしたいです。日本の芸道や武道における修行の過程を示す言葉に「守破離(しゅはり)」というものがあります。型を身につけ(守)、その型を改良し(破)、新しいものをつくり出す(離)という意味で、何事も最初は徹底的に型を身につけることが大切だということです。プロジェクトマネジメントにも、PMBOKなどの手法が存在します。これらの手法は運転免許に似ていて、習得することでやっと公道を走れる(案件を回せる)ようになるのです。その後、自分なりに改良を加え、新しい方法論をつくっていくことになります。資格勉強、書籍やWebによるキャッチアップなど、できることから始めてみてはいかがでしょう。
POINT
プロジェクトマネジメントは堅苦しいものでも、特定の業界に限ったものでもない。手法を身につけることから着手し、仕事を楽にしよう!
Text:編集部